KSK2が稼働しました。
2026-10-07

KSK2(次世代国税総合管理システム)が稼働しました。
2026年(令和8年)9月24日、国税庁の基幹システムが約25年ぶりに
全面刷新され、新システム「KSK2」へと移行しました。
これは単なるソフトウェアのアップデートではなく、
国税庁が保有するデータの扱い方が根本から変わる大きな転換点です。
【1】「KSK2」とは
KSK2の正式名称は「次世代国税総合管理システム」です。
長年にわたり、納税者の申告内容や税務情報を一元管理してきた
「KSKシステム」を全面的に刷新したものです。
ネット上では「税務調査のためのAIシステム」と紹介されることがありますが、
KSK2は申告の受付から税金の徴収、管理にいたるまで、
税務行政全般を支える次世代のデータ基幹システムです。
データ分析にAIが活用されることも想定されています。
【2】KSK2で税務調査はどう変わる?3つの大きな変化
(1) 「税目の壁」が消え、横断的な確認が容易に
これまでのシステムは、法人税、所得税、消費税、相続税といった
税目ごとにデータベースが分かれている「縦割り」の状態でした。
KSK2ではこれらを横断して参照できるようになります。
① 会社(法人)と社長個人(親族含む)のデータ連携が進み、
横断的に確認できるようになります。
② 例えば、「会社の経費(外注費など)」と「それを受け取った個人の申告」
にズレがないかといった整合性が、
システム上で一瞬で弾き出せるようになります。
(2)紙の書類も「AI-OCR」で100%データ化
「うちは電子申告(e-Tax)ではなく紙で提出しているから大丈夫」
という言い訳は通用しなくなります。
紙で提出された申告書や届出書も、
高性能なカメラとAI-OCR(光学文字認識)によって全件瞬時に
デジタルデータ化され、KSK2に蓄積されます。
すべての納税者のデータが同じ土俵で分析されることになります。
(3)調査官が「現場から」リアルタイムにデータへアクセス
これまでは、税務署の庁舎内でしかシステムのデータ
を閲覧できませんでした。
KSK2では、セキュリティの担保された端末を使うことで、
税務調査に入っている企業のオフィス(現場)からでも、
国税庁のデータベースにリアルタイムでアクセスできるようになります。
これにより、その場での事実確認や
矛盾の追及が格段にスピーディかつ効率的に行われます。
【3】国外所得などをより厳格にチェック
CRS(共通報告基準:各国の税務当局間で非居住者の口座情報を自動交換する制度)
などの外部データとの連携も強化されているため、
外国人経営者や海外に資産を持つ方の国外所得なども、
より厳格にチェックされるようになっています。
【4】これからの税務対策で本当に大切なこと
KSK2の導入によってシステムが高度化したからといって、
「支払うべき税金のルール」そのものが変わったわけではありません。
また、AIが自動的にすべてを判断して脱税を摘発するような
極端なものでもありません。
大切なのは、以下の原則をこれまで以上に徹底することです。
(1)会社と個人(社長)のお金を明確に分けること
(2)すべての取引について、客観的な証拠(領収書や契約書)を残すこと
(3)「システムで紐付けられても見劣りしない」整合性のある経理処理を行うこと
データを横断的に一瞬で見える化できる時代だからこそ、
日頃からの正しい帳簿付けが大事になります。
自社の経理体制に不安がある方は、ぜひご相談ください。
税理士法人だいち 日野事務所 税理士山口


