月刊 山口広記

お客様とのコミュニケーションを大切にする所長・山口の税金とお金と経営の話

スモ-ルM&Aとは

2021-03-02

スモールM&Aとは、小規模会社・個人事業を対象

としたM&Aのことです。

売上高を基準とする場合は1,000万円から5億円位の規模、

従業員数を基準とすれば数人から30人位の規模、

で事業を営む会社がスモールM&Aの対象になります。
 

【1】現状

 スモールM&Aの市場では、企業の生き残り・事業承継のため

 活発な取引が行われています。

 譲渡・買収の対象とされるのは小規模会社や個人事業で、

 経営者の年齢・業界の伸び悩み・設備の老朽化などを理由に

 売却されています。

【2】後継者問題以外は魅力的な案件がある。

 中小企業庁によれば、60歳以上の経営者のうち後継者が

 見つかっていない人は全体の7割近くに達しています。

 また、3割近くの経営者が企業の成長・拡大を望み、

 6割以上が事業の安定と維持を希望しているのが現状です。

 経営が安定している小規模会社・個人事業でも

 事業承継を望んでいるため、

 魅力的な案件が市場に出回っているといえます。

【3】スモールM&Aが人気の理由

 ①起業

  一から会社を興す必要がなく、そのほかのM&Aと比べて、

  買収額を抑えられることから買い手には法人やセミナー

  で知識を得た個人・サラリーマンの方が多く見受けられます。

 ②黒字事業引継ぎ

  年齢や後継者の不在を理由にした事業譲渡も少なくありません。

  経営状況の悪化が売却の理由ではないため、

  利益が出ている黒字事業の引継ぎも可能となります。

 ③ノウハウ引継ぎ

  売り手企業が所有するノウハウを引き継げます。

  「専門的な知識・ノウハウを持ち合わせていない」

  ケースでも、起業が可能になります。

 ④顧客獲得

  既存の会社・事業を譲り受けるため、

  買収と同時に顧客がついてくるのです。

 

【4】案件の探し方

 ①マッチングサイトで探す

  対象企業の業種・事業を営む場所・売上高などの財務情報等、
 
  希望する譲渡額・譲渡する理由などがわかります。
 
  ただし、詳細な情報を得るには電話による問い合わせや
 
  秘密保持契約の締結が必要とされます。

 ②M&A専門の仲介会社で探す
 
  小規模企業の案件に特化した仲介会社を利用することで、

  全国から売り手企業を探してくれたり抑えた手数料で

  成約までのサポートが受けられるます。

 ③公共機関を利用して探す
 
  1)全国にある商工会議所

  相談や事業の引継ぎに関するアドバイス、売り手企業の紹介

  などを行っています。

  2)後継者人材バンク事業

  事業引継ぎ支援センターが行う事業で、

  売り手と買い手を結び付ける事業を行っています。

 

【5】注意点

 契約締結あたり下記のようなトラブルが起こらない様に

 徹底したデュ-デリジェンスが必要です。

 ①契約締結前に話していた内容と違う

 ②従業員の離職

 ③隠れ債務が後から見つかる

 買収後のリスクを避けるためには、

 専門家によるデューデリジェンスが重要です。

 
 政府の方針もあり、仲介料の補助金支援等

 も創設されました。今後に注目です。
 
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