月刊 山口広記

お客様とのコミュニケーションを大切にする所長・山口の税金とお金と経営の話

令和5年度税制改正大綱!!

2023-01-11

令和4(2022)年12月16日、「令和5年度税制改正大綱」

が政府与党から発表になりました。

いよいよ「相続税と贈与税の一体化」がはかられることとなります。

内容を確認してみましょう。

【1】生前贈与加算を3年から7年に変更

(1)現行の税制

 生前に贈与を受けた財産は、毎年110万円までは贈与税がかかりません。

 ただ、亡くなった日から3年前までに受けた贈与については、

 死後に相続した財産と合算して相続税を納めることとなっています。

 

(2)今回の改正案

 死亡前3年という持ち戻しの期間が、2024年以降の贈与から7年に延長されます。

 亡くなる前の3年間に贈与された財産の扱いはこれまでと同じです。

 ただ、延長した4年分については総額100万円まで相続財産に加算しないとしています。

 

【2】「相続時精算課税制度」見直し

(1)現行の税制

 2500万円までの贈与をいったんは非課税としたうえで、

 相続の際にその分も合算して課税額を計算することになります。

 一度この制度を使う選択の届出をした間柄の贈与では、二度と暦年課税制度に戻れません。

 また少額の贈与(年110万円以内)でも、贈与税の申告をしなければなりません。

 

(2)今回の改正案

 これまでは少額の贈与でもすべて申告しなければなりませんでしたが、

 今回の改正で相続時精算課税制度に新たに「年110万円の基礎控除」の枠が加わります。

 2024年1月1日以降、相続時精算課税制度を選択した人への贈与でも、

 年110万円までなら贈与税も相続税もかかりません。

 贈与税の申告も不要になります。

 制度の使い勝手をよくすることで、高齢世代から子育て世代への資産移転を促します。

 

【3】教育資金贈与の優遇措置・期限延長

 原則として30歳未満の人が祖父母や親から学校の授業料や塾代などの教育目的で

 1500万円を上限に一括で贈与を受ける場合、

 贈与税が非課税になる優遇措置も2023年3月末の期限を3年延長します。

 ただし、相続税の課税対象の財産が5億円を超える富裕層については、

 非課税とする条件を厳しくするなど要件を見直します。

 

【4】結婚・子育て資金贈与の優遇措置・期限延長

 結婚や子育てなどにかかる資金を祖父母らから援助してもらう場合に、

 1000万円を上限に贈与税を非課税としている措置についても、

 2023年3月末の期限を2年延長します。

 今回の改正案については、特に相続時精算課税を選んだ方が

 非課税枠の面では魅力的な状態となるため、

 相続時精算課税を選択する人が増える可能性が高くなると思われます。

 ただ、まだ改正案の状態なので、確定までの間の情報を注視しましょう。

 

  山口会計 山口

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