月刊 山口広記

お客様とのコミュニケーションを大切にする所長・山口の税金とお金と経営の話

法人化(法人成り)の判断基準

2026-08-12

個人事業者の方、新規法人設立の方から法人化(法人成り)の判断基準の

相談が度々あります。少し整理してみます。

【1】法人化を判断する税法上の基準

 法人化(法人成り)を判断する最大の基準は、

 「個人の所得税率(最高45%)」と「法人の実効税率(約23〜34%)」

 の差額による節税メリットが、法人の維持コストを上回るかどうかにあります。

 一般的には「課税所得(利益)が800万円〜900万円」を超えたタイミングが

 損益分岐点となるケースが多いです。
  
【2】税金面・コストの基準

 (1)個人と法人の税率差

  個人の所得税は累進課税で最大45%まで上がりますが、

  法人税は利益800万円以下なら約23%、超えても約34%で頭打ちになります。 

 (2)役員報酬による給与所得控除

  自分に給与(役員報酬)を支払うことで、法人側では経費にしつつ、

  個人側では「給与所得控除」という控除を受けられます。

 (3)赤字の繰越期間

  個人事業主は赤字(純損失)を3年間しか繰り越せませんが、

  法人は10年間繰り越して将来の利益と相殺できます。

 (4)法人の維持コスト

  赤字であっても毎年最低約7万円の「法人住民税均等割」が発生します。

  また、税理士報酬も個人より高くなるため、

  このコストを上回る節税効果が必要です。

【3】社会保険面の基準
 
 (1)社会保険への強制加入

  法人化すると、社長1人の会社であっても社会保険への加入が義務付けられます。 

 (2)労使折半の負担増

  会社が保険料の半分を負担するため、役員報酬を高く設定するほど会社の資金

  (法定福利費)が圧迫されます。

  国民健康保険・国民年金のままでいる方が手残りが多くなるケースもあるため、

  シミュレーションが必須です。

【4】社会的信用とビジネス拡大の基準

 (1)取引先からの要件

  大手企業や行政との取引、あるいは特定の許認可(建設業や派遣業など)

  では「法人であること」が必須条件になる場合があります。

 (2)資金調達の有利さ

  銀行からの融資や、ベンチャーキャピタルからの出資、大型の補助金申請において、

  法人の方が圧倒的に審査で有利になります。

【5】インボイス制度(消費税)の基準

  ・・・2年間の免税メリット・・・

  インボイスを発行しない(免税事業者のままでよい)BtoCビジネス

  (美容室や一般消費者向け飲食など)の場合、

  法人化することで最大2年間、消費税の納税が免除される特例を受けられます。

  ただし売上げ規模などの条件があります。

   
  上記条件もありますが、取引先との関係から、法人設立・法人成りを

  選択する方が多くなってきた印象です。  

  気になる方はぜひご相談下さい。    
      
  税理士法人だいち 日野事務所 税理士山口
 

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