月刊 山口広記

お客様とのコミュニケーションを大切にする所長・山口の税金とお金と経営の話

2025年_年末調整2

2025-11-07

前回に続き年末調整関係の内容です。

今回はQ&Aでご紹介します。

【Q1】甲は令和7年10月31日に定年退職する予定になっていますが

   就職先が決まっていないことから、

   当社としては、甲の在職中の給与について年末調整を行いたいと思いますが、

   差し支えありませんか?

 A:年の途中で退職した場合は年末調整はできません。

   あくまでも会社に在職している場合にその会社で行われるものです。

【Q2】毎月1日から末日までの勤務実績を基に翌月10日に給与支給する場合、

   12月中の勤務実績に基づく給与は翌年の1月10日に支給されます。

   年末調整対象給与には、翌年1月10日支給金額を含めるのでしょうか?

 A:年末調整は、本年中に支払の確定した給与、

   すなわち給与の支払を受ける人からみれば収入の確定した給与について行います。

   収入の確定日は、契約等により支給日が定められている給与はその支給日となります。

   翌年1月10日に支給する給与は、同日が収入の確定する日となり、

   本年の年末調整の対象とはなりません。

【Q3】結婚前に支払った妻の社会保険料がある場合は?

 A:最近結婚して妻が結婚前に支払っていた社会保険料がある場合には、

   妻本人の社会保険料控除には使えますが、夫の社会保険料控除には使えません。

   これは、本来生計を一にする配偶者や親族の負担すべきものを給与所得者が負担

   した場合に負担者が控除できるため、今回の場合では負担していないからです。

【Q4】海外支店へ出向した従業員はどうなるの?

 A:海外支店へ年の途中で出国し海外での勤務が1年以上になる場合には、

   「非居住者」として扱われます。

   そのため、その出国する時までに、出国までの給与を対象に年末調整する必要があります。

   なお、保険料等の控除額は、出国の日までに支払った保険料等の額が計算対象となります。

【Q5】別居している親族を控除対象扶養親族としてもよいのでしょうか?
  
 A:別居している親族であっても所得者本人の扶養控除の対象とすることは可能ですが、

   その場合、別居している親族に対して常に生活費、療養費等の送金が行われているなど、

   所得者本人と生計を一にしている必要があります。

【Q6】共働きの世帯で、扶養親族に該当する20歳の子がいる場合、

   扶養控除の適用については夫婦のいずれかで受けることとなりますが、

   所得金額調整控除の適用についても夫婦のいずれかで受けることとなるのでしょうか?

 A:同じ世帯に所得者が2人以上いる場合、これらの人の扶養親族に該当する人については、

   いずれか1人の者の扶養親族にのみ該当するものとみなされるため、

   扶養控除の適用については、夫婦のいずれかで受けることとなります。

   他方、所得金額調整控除の適用については、扶養控除と異なり、

   いずれか1人の扶養親族にのみ該当するものとみなされませんので、

   扶養親族に該当する年齢23歳未満の子がいる場合、

   夫婦の双方で所得金額調整控除の適用を受けることができます。

【Q7】給与の支払者に「所得金額調整控除申告書」を提出する日において、

   本年の給与の収入金額が850万円を超えるかどうかが明らかではありません。

   給与の収入金額が850万円を超える場合は所得金額調整控除の適用を受けたいのですが、

   この場合、「所得金額調整控除申告書」の提出はどのようにすればよいのでしょうか?

 A:給与の収入金額が850万円を超えるかどうかが明らかではない場合であっても、

   所得金額調整控除の適用を受けようとするときは、

   「所得金額調整控除申告書」に必要事項を記載し、給与の支払者に提出します。

    なお、その年の給与の収入金額が850万円を超えなかった場合は、
 
   「所得金額調整控除申告書」の提出をしたとしても、

   年末調整において所得金額調整控除が適用されることはありません。

【Q8】12月の給与支給後(年末調整後)に扶養親族が変わった場合は?

 A:扶養親族の判定は12月31日までの現況で行いますので、

   年末調整後に扶養親族が変わった場合には年末調整の再調整を行うことになります。

   扶養親族が変わった際は会社へすぐに連絡しましょう。

【Q9】同居している親が入院した場合、扶養親族の同居老親等の区分はどうなりますか?

 A:退院した後同じく同居するのであれば同居老親等のままで大丈夫です。

【Q10】年末調整による超過額が多かったので1月に納付する税額はありません。

    この場合、所得税徴収高計算書(納付書)は税務署に提出しなくてよいでしょうか。

 A:たとえ1月に納付する税額がなくても、所得税徴収高計算書(納付書)は、

   必要事項を記入して1月10日(納期の特例の承認を受けている場合は1月20日)

   までに税務署に提出してください。

   なお、納付税額がない所得税徴収高計算書(納付書)は金融機関で取り扱いませんので、

   所轄の税務署にe‐Tax により送信又は郵便若しくは信書便により送付又は提出する必要があります。

   細かい点についてはまだまだ論点があります、疑問点はぜひご質問ください。
  
   前回も記載しましたが、今回の年末調整は配偶者のパート収入・学生のアルバイト収入の

   金額に応じて適用できる控除額が変わります。

   12月までの見積もり年収(年間の給与総額)の記載をお願いします。
  
      
  税理士法人だいち 日野事務所 税理士山口
 

八王子市・立川市・多摩市に接する日野市(JR中央線豊田駅から徒歩5分)の税理士事務所(認定支援機関)です。税理士業務・会計サポートで中小企業経営者のお悩みを伺っております!日 々奮闘している所長税理士とスタッフが、皆様の開業起業、相続その他税務のご相談をお待ちしております。
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