月刊 山口広記

お客様とのコミュニケーションを大切にする所長・山口の税金とお金と経営の話

こども支援NISA(通称「こどもNISA」)

2026-05-12

 2027年1月から開始予定の「こども支援NISA」について確認してみます。

【1】概要

  2027年1月に開始される予定の「こども支援NISA」は、

  0歳〜17歳の未成年を対象とした新しい非課税投資制度です。

  2023年に終了した「ジュニアNISA」の使いにくさを解消し、

  大学進学や成人後のライフイベントに伴う必要資金

  を備えるために設けられた制度です。

【2】制度内容

 (1)開始時期

   2027年1月1日(予定)

 (2)対象年齢

   0歳 〜 17歳(18歳未満)

 (3)年間投資枠

   60万円

 (4)非課税保有限度額

   累計600万円

 (5)非課税期間
   
   無期限(恒久化)

 (6)投資対象

   成人向け新NISAの「つみたて投資枠」と同じ投資信託など

【3】注目ポイント

 (1)引き出し制限の緩和

   旧ジュニアNISAでは18歳まで原則引き出せませんでしたが、

   新制度では12歳以降、教育資金などの目的であれば、

   お子さまの同意を得た上で非課税での引き出しが可能になる見込みです。

 (2)18歳以降の自動移行

   18歳になると、保有している資産は自動的に成人向けのNISA口座

   (つみたて投資枠)へ引き継がれる仕組みが検討されています。

 (3)無期限の運用

   非課税期間に制限がないため、お子さまが生まれた時から成人後まで、

   超長期の複利効果を活かした運用が可能です。

【4】制度導入の注意点。

   こどもNISAで親や祖父母の資金を運用する場合、

   税務上の「贈与」として正しく成立させないと、

   将来的に多額の税金がかかるリスクがあります。

 (1)「名義預金(名義資産)」のリスク

   最も多いトラブルが、口座の名義は子供でも、

   実態は親の財産とみなされる「名義預金」の問題です。

   これが認定されると、親の死後に子供のNISA資産もすべて

   「親の相続財産」として計算され、相続税が課される恐れがあります。

   *****回避のポイント*****

  ①子供への周知

   子供がある程度の年齢になったら、口座の存在と「君のためのお金だよ」

   ということを伝えておく必要があります。

  ②管理の明確化

    通帳や印鑑、パスワードなどを子供自身

   (または親権者が代理人として明確に区別して)

   管理している実態が求められます。

 (2)贈与の成立と「110万円」の壁

   こどもNISAの投資枠は年間60万円ですが、

   贈与税の基礎控除額は年間110万円(受贈者1人あたり)です。

   60万円の積み立て以外に、お年玉や祝い金、
 
   他からの贈与を合算して110万円を超えると、
 
   超えた分に贈与税の申告・納付が必要になります。

   *****贈与であることの証拠が必要*****

   年110万円以下であっても、毎回の入金が「贈与である」

   という証拠を残すため、贈与契約書を作成しておくことが推奨されます。

   これにより、「勝手に親が名前を借りて運用しているだけ」

   という疑いを払拭できます。

 (3)「定期贈与」とみなされるリスク

   「毎年必ず60万円ずつ、10年間贈与する」といった約束(連年贈与)

   とみなされると、最初に「600万円の贈与を受ける権利」を貰ったと判断され、

   初年度に一括して多額の贈与税がかかる可能性があります。

    毎年その都度、金額や時期を検討して贈与を行う「暦年贈与」の形をとり、

   毎年異なる日付や金額で契約書を交わすことが望ましいです。

   
   廃止された教育資金贈与制度に代わるものとも考えられます。

   またここでは記載しませんが、贈与方法には暦年贈与と相続時精算課税

   の二つの方法があります。

   どちらを選択するかは慎重な検討が必要です。

   ぜひご相談下さい。
 
    税理士法人だいち 日野事務所 税理士山口
 

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