月刊 山口広記

お客様とのコミュニケーションを大切にする所長・山口の税金とお金と経営の話

在職老齢年金2026年改正

2026-03-17

この制度は、シニアの就労を促進しつつ、

現役世代との給付バランスを保つことを目的として創設されたものです。

一方で、収入によってはいわゆる「働き損」となるため、

働き控えの原因になるとの指摘もあります。

現行の制度と改正内容を確認します。

【1】概要
   
  「在職老齢年金」とは、働きながら(厚生年金に加入したまま)老齢厚生年金
  
  を受給している労働者の収入月額が支給停止調整額を上回ったとき、

  その度合いに応じて老齢厚生年金の受給額が減額される制度をいいます。

【2】対象となる労働者

 (1)次の条件を満たす労働者です。

  ①60歳以上

  ②厚生年金に加入している

  ③老齢厚生年金を受給している

 (2)70歳以上の従業員への適用

  ①70歳以上の従業員に対しても在職老齢年金制度は適用されますが、

   厚生年金保険料の負担はありません。

   つまり、70歳以上の従業員は保険料を支払うことなく、

   在職中でも老齢厚生年金を受給できます。

  ②ただし、総報酬月額相当額が基準額を超えた場合には、

   70歳以下の労働者と同様に老齢厚生年金の支給額が減額されます。

 (3)個人事業主やフリ-ランスは対象外

   在職老齢年金は、あくまでも厚生年金に加入しながら老齢厚生年金を受給

   している労働者向けの制度です。

   個人事業主やフリーランスは対象外となります。

【3】支給停止の判定基準(2026年1月時点)

  「基本月額」と「総報酬月額相当額」の合計が 51万円 を超える場合に、

  年金額が調整されます。

 (1)基本月額

    加給年金を除いた報酬比例部分の月額

 (2)総報酬月額相当額

   月給 + 直近1年間のボーナスを12で割った額

 (3)基準額

    51万円

【4】年金のカット額の計算式

  カットされる額(月額)=(基本月額 + 総報酬月額相当額 - 51万円)÷ 2

【5】老齢基礎年金は対象外

 (1)在職老齢年金制度において、支給停止の対象となるのは老齢厚生年金のみです。

   老齢基礎年金は、就労状況に関わらず全額支給されます。

 (2)たとえば、月額6.5万円の老齢基礎年金と月額10万円の老齢厚生年金を受給している場合、

   支給停止の計算対象となるのは老齢厚生年金の10万円のみです。

【6】2026年4月:支給停止基準額の引き上げ

  最も重要な改正点は、年金がカットされ始める基準額(支給停止調整額)の

  大幅な引き上げです。

  現 行 : 51万円(2024年(令和6年)4月1日 〜 2026年(令和8年)3月31日)

  改正後 : 62万円(2026年4月〜)

  これにより、給与(総報酬月額相当額)と年金(基本月額)の合計が

  月額62万円に達するまで年金は全額支給されるようになります。

  
  中小企業の役員方がご自身の役員報酬を決定する際

  気にしていた基準が51万から62万に変わることになります。

  ぜひ参考にしてください。

    
      
  税理士法人だいち 日野事務所  税理士 山口
 

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