令和7年分の確定申告における留意点
2026-02-09

令和7年(2025年)分確定申告では、「年収の壁」見直しに伴う制度改正があるため
例年以上に計算ミスや申告漏れが懸念されています。
特に間違えやすい点は以下の通りです。
【1】令和7年分からの新制度・変更に伴う注意点
(1)基礎控除額の引き上げ
従来の48万円から58万円へ10万円引き上げられます。
さらに、合計所得金額655万円以下の方には令和7・8年分の限定措置として上乗せがあり、
最大95万円(合計所得132万円以下の場合)まで拡大されます。
(2)給与所得控除の引き上げ
年収190万円以下の場合は一律65万円(従来は55万円)に引き上げられます。
(3)所得税の非課税ライン
給与所得のみの場合、非課税となるボーダーラインが従来の103万円から最大160万円
(基礎控除95万円+給与所得控除65万円)へ引き上がります。
(4)「特定親族特別控除」の創設
新設された「19歳以上23歳未満の子」などを持つ所得者への控除です。
これまでの特定扶養親族とは別に、本人に適用される新しい控除のため、
申告漏れに注意が必要です。
(5)扶養親族等の所得要件の改正
扶養に入れられる親族の合計所得金額が、
従来の48万円から58万円に引き上げられています。
古い基準で判断して「扶養から外れる」と誤認しないよう確認してください。
(6)住宅ローン控除
令和6年と同様の措置を引き続き実施。
借入限度額について、子育て世帯・若者夫婦世帯が
令和7年に新築住宅等に入居する場合には、
令和4・5年入居の場合の水準
〔認定住宅:5,000万円、ZEH水準省エネ住宅:4,500万円、
省エネ基準適合住宅:4,000万円〕を維持する。
【2】例年多い典型的なミス
(1)副収入の申告漏れ
副業やネットオークション、
暗号資産などの所得が20万円を超える場合に申告が必要ですが、
これらを忘れるケースが多く見られます。
(2)給与所得と年金所得の両方がある場合
「所得金額調整控除(10万円)」の適用を忘れると、合計所得が実際より多く計算され、
配偶者控除などの適用に影響が出ることがあります。
(3)予定納税額の転記漏れ
すでに納めた「予定納税(第1期・第2期)」がある場合、
申告書にその額を記載し忘れると、二重に税金を払うことになります。
(4)医療費控除の対象外費用
人間ドック(異常なしの場合)や予防接種の費用、
通院用の自家用車のガソリン代などは医療費控除の対象になりません。
(5)その他
上記の事も含めて国税庁のHPに注意すべき事例が記載されています。
確認してみてください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/shinkoku-tyuui/
項目だけ列挙します。
1)原稿料、講演料、印税、放送出演料などの収入がある方
2)フリマアプリ、ネットオークション、ネット通販、ドロップシッピング、
配達代行業、動画配信、アプリ作成・配信、有料メルマガ、アフィリエイト、
ギャラ飲み、民泊、カーシェアリング、自宅等の時間貸し等の収入がある方
3)太陽光発電設備による売電収入がある方
4)暗号資産の取引に係る収入がある方
5)株主優待を受け取った方
6)保有する外国通貨の日本円への交換などによる為替差益があった方
7)定の外国年金の収入がある方
8)競馬、競輪、オートレース、ボートレースの払戻金の支払を受けた方
9)生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金の収入がある方
10)ふるさと納税の謝礼として特産品を受け取った方
11)金地金の売却収入がある方
12)上場廃止となった株式の売却収入がある方
13)外国為替証拠金取引(FX)による収入がある方
14)退職金の収入がある方
上記については年末調整を受けた給与所得以外の所得が 20 万円以下の方など
確定申告自体が不要な場合もあります。
【3】もし間違えてしまったら
(1)申告期限前の場合
再度送信(提出)すれば、最後に提出したものが有効となります。
(2)申告期限後の場合
①税額が少なすぎた場合 : 「修正申告」が必要です。
②税額が多すぎた(還付を受けたい)場合 : 「更正の請求」を行います。
確定申告の時期となりました。
早めに準備して、早期申告を心がけましょう。
税理士法人だいち 日野事務所 税理士山口


