月刊 山口広記

お客様とのコミュニケーションを大切にする所長・山口の税金とお金と経営の話

公正証書遺言とは

2014-12-25

相続税の増税に向けた改正が平成27年1月より施行されます。

相続の事前対策に関心が集まっていますが、

今回は同様に関心が集まっている遺言のうち、

特に信用性が高い公正証書遺言について

記載したいと思います。

【1】公正証書遺言とは

公証役場で公証人に作成してもらう遺言のことです。

自筆証書遺言と違い家庭裁判所の検認手続きは必要ありません。

そのため、遺言の執行が迅速にできます。

【2】事前準備

(1)相続財産を把握する。

(2)誰に何をどのように相続させるのかを決める。

(3)祭司主宰者を定める場合の人選、

 その他遺言の内容を検討する。

(4)遺言の執行者を定める場合、誰にするか決める。

(5)原案の作成。

 実際の文章は公証人が作成するが、下書きとして原案を作製

 していくと遺言者の意思がもれなく伝わりやすいです。

(6)証人を決める

 公証役場で立ち会ってもらう証人は2人以上必要になります。

 ただし遺言の内容が知られてしまうので、守秘義務のある

 専門家に依頼するのが適切です。

(7)公証役場に作成日時を予約する。

 予約の際に遺言の原案や遺産の内容を説明し、必要書類の確認

 と作成手数料の概算を計算してもらうと当日の流れが

 スム−ズになります。

【3】必要書類

(1)遺言の原案

(2)遺言者本人・・・実印、戸籍謄本、身分証明書、印鑑証明書等

(3)証人・・・実印又は認印、本人確認が出来る証明書

(4)相続人の戸籍謄本

(5)相続人以外に遺言する場合・・・住民票等

(6)財産が不動産の場合・・・固定資産評価証明書・登記事項証明書等

(7)財産が預貯金・株式の場合・・・残高証明書等

(8)遺言執行者を指定する場合・・・その方の住民票等

【4】手続き

 遺言者が述べた遺言の内容は、公証人によって筆記されます。

そして、公証人が筆記したものを遺言者と証人に読み上げたり、閲覧させます。

そして遺言者本人と証人が、筆記したものを確認した後、

署名、押印をします。

最後に、公証人が手続きに従って作成した旨を付記して、署名、押印します。 

作成された公正証書遺言の原本は、公証人によって保管されますので、

紛失や偽造される心配はありません。

そして、遺言者には原本と同一の効力を有する正本が渡されます。

また、万一、正本を紛失しても再交付を受けることができます。

【5】その他

体力が弱ってしまったり、病気等なんらかの事情で

遺言者が公証人役場まで行けないときは、

遺言者の自宅又は病院等へ公証人に出張してもらうことも可能です。

その他注意点もありますが、概要は以上の通りです。

作成の際にはぜひご相談ください。

 

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