個人事業の青色申告75万控除
2026-09-14

個人事業主についての青色申告特別控除の最大額が、
税制改正によって現在の65万円から最大75万円に引き上げられます。
【1】適用開始はいつからか
この新制度は令和9年分(2027年1月〜12月分)の所得税から適用され、
実際の初回申告は令和10年(2028年)3月の確定申告となります。
【2】改正後の青色申告特別控除
(1)75万円控除(10万円アップ)
①記帳方法 複式簿記
②申告方法・保存要件
e-Tax申告 + 優良電子帳簿保存 または デジタルシームレス(自動連携)
(2)65万円控除(変更なし)
①記帳方法 複式簿記
②申告方法・保存要件
e-Tax申告 + 通常の帳簿等
(3)10万控除(45万円の大幅ダウン)
①記帳方法 複式簿記
②申告方法・保存要件
書面(紙)で申告 + 通常の帳簿等
(4)10万控除(変更なし)
①記帳方法 簡易簿記
②申告方法 e-Tax申告 ・書面(紙)で申告 + 通常の帳簿等
※前々年の収入が1,000万円以下
(5)0円控除(控除がなくなります)
①記帳方法 簡易簿記
②申告方法 e-Tax申告 ・書面(紙)で申告 + 通常の帳簿等
※前々年の収入が1,000万円超
引き続き控除を受けるには複式簿記への移行が必要です。
【3】75万円控除を受けるための「3つの必須要件」
これまでの65万円控除の条件に、データ連携や高度な帳簿保存の仕組みが加わります。
(1) 複式簿記での記帳と決算書の添付
正規の簿記の原則に従い、損益計算書(PL)だけでなく
貸借対照表(BS)を作成して添付する必要があります。
(2) e-Taxによる期限内申告
確定申告期限(原則3月15日)までに、
インターネット経由(e-Tax)で電子申告を行うことが必須です。
(3)優良電子帳簿での保存 または デジタルシームレス(自動連携)
①優良電子帳簿保存
訂正や削除の履歴が残り、検索機能などを備えた
「電子帳簿保存法」の要件を満たす方法です。
②デジタルシームレス
新設された区分で、請求書データなどを
会計ソフトに自動連携して保存する仕組みです。
(4)75万円の青色申告特別控除を受ける場合に必要な届出書の提出
適⽤を受ける年分の確定申告期限までに所轄の税務署に所定の届出書を提出する必要があります。
【4】今から準備すべきこと
改正されるのは令和9年分の取引からですが、令和9年1月1日からの
取引データを正しい方法で記録・保存し始める必要があります。
(1)使用している会計ソフトが「優良電子帳簿」や
「75万円控除(デジタルシームレス)」に対応しているか、
設定やプランを確認しておきましょう。
(2)現在、紙(書面)で申告している方や、
売上が1,000万円を超えているのに簡易簿記のままでいる方は、
控除額が激減してしまうため、
早めにe-Taxへの移行や複式簿記への切り替えを進めましょう。
【5】会計事務所で記帳代行している場合
(1)会計事務所が使用しているプロ向けの会計システム
(MJS、freee、弥生、MFなど)で、この「優良帳簿」の設定を
有効にして入力してもらう必要があります。
(2)作成された電子帳簿は、納税者の手元でも適切に
保存・確認できる状態にしなければなりません。
会計事務所から、要件を満たした「クラウド保存」や「適切な電子データ」
として帳簿の引き渡しを受ける体制になっている必要があります。
75万控除は所得を減らせる有効な手段になります。
ただし、適用要件が厳密なため、会計事務所依頼で適用要件を
満たす場合は、手間が増えるため報酬の増額をお願いすることもあります。
詳しくは、弊社担当者にお尋ねください。
税理士法人だいち 日野事務所 税理士山口


