相続土地国家帰属法!!
2022-10-06
仰々しいタイトルですが、
内容が解れば怖いものではありません。
令和5年4月27日から施行されますが
事前に確認してみましょう。
【1】相続土地国庫帰属法とは
相続等によって土地の所有権を取得した者が、法務大臣の承認を受けて、
その土地の所有権を手放して、国庫に帰属させることができる制度です。
簡単に言うと、
「相続した不要な土地を国に渡すことができる制度」です。
ただし、何でもかんでも引き取ってくれるわけではありません。
ここには当然ル-ル(要件)があります。
【2】手続きの概要
(1)承認申請
申請権者は相続等によって、土地の所有権又は共有持分を取得した者になります。
これらの者は法務大臣に対して、その土地の所有権を国庫に帰属させることについて、
承認を申請することができます。
(2)調査
法務大臣は、承認の審査をするために必要と判断したときは、
その職員に調査をさせることができます。
(3)承認
法務大臣は、承認申請された土地が、下記【3】に当たらないと
判断したときは、土地の所有権の国庫への帰属について承認をします。
(4)国庫への帰属
土地の所有権の国庫への帰属の承認を受けた方が、
一定の負担金を国に納付した時点で、
土地の所有権が国庫に帰属します。
一定の負担金とは10年分の土地管理費相当額とされています。
【3】帰属の承認ができない土地
申請しても下記に当てはまる土地については
帰属の承認がされません。
(1)申請をすることができないケース
① 建物がある土地
② 担保権や使用収益権が設定されている土地
③ 他人の利用が予定されている土地
④ 土壌汚染されている土地
⑤ 境界が明らかでない土地・所有権の存否や範囲について争いがある土地
(2)承認を受けることができないケース
① 一定の勾配・高さの崖があって、管理に過分な費用・労力がかかる土地
② 土地の管理・処分を阻害する有体物が地上にある土地
③ 土地の管理・処分のために、除去しなければいけない有体物が地下にある土地
④ 隣接する土地の所有者等との争訟によらなければ管理・処分ができない土地
⑤ その他、通常の管理・処分に当たって過分な費用・労力がかかる土地
【4】施行前に相続した土地について
本制度開始前に相続等によって取得した土地についても、制度の対象となります。
例えば、数十年前に相続した土地についても、制度の対象となります。
【5】まとめ
相続した、
「遠くに住んでいて利用する予定がない」、
「山林を相続したけど売却先が見つからない」
等の土地について、有効な処分方法となることを期待します。
現状まだ施行されていないため、詳細がこれから明確になる部分もあります。
今後の情報に注目です。
山口会計 山口