月刊 山口広記

お客様とのコミュニケーションを大切にする所長・山口の税金とお金と経営の話

定額減税とは

2024-05-15

令和6年度税制改正で急遽決まった所得税・個人住民税の定額減税

について確認します。

【1】定額減税とは

 定額減税とは、国民の可処分所得を拡大させるために令和6年度税制改正で設けられた、

 居住者に対する1年限りの減税制度です。

 減税額は、控除対象者1人につき、令和6年分の所得税から3万円、

 令和6年度分の個人住民税から1万円、合計4万円が控除されます。

【2】年間税額が減税額以下の場合

(1)控除不足額の翌年繰り越しがあるか

 もし、令和6年分の所得税額が3万円未満であったり、

 令和6年度分の住民税額が1万円未満であったりすれば、

 それぞれ控除しきれない額が生じますが、

 その場合はその額は切り捨てられます。

 控除しきれない額が、翌年に繰り越されることは基本的にありません。

(2)控除不足額の本人への給付

 控除しきれない額がある場合は、市区町村から本人に給付されます。

 この給付は、市区町村が、令和5年分の確定申告や給与の支払者から送られてきた

 給与支払報告書の情報から独自に計算して行いますので、

 給与の支払者が手続きをする必要はありません。

 給付の申請方法については、各市区町村にご確認ください。

【3】給与取得者の定額減税

(1)給与の支払者が行う定額減税

 定額減税は、給与の源泉徴収を通じて給与の支払者が行います。

(2)対象者の確認

 所得金額が低いために所得税が課されない者については、

 減税のしようがありませんので、受給者(本人)の配偶者や扶養親族でその

 合計所得金額が基礎控除額以下の者については、

 受給者(本人)にまとめて定額減税を適用することになります。

 したがって、給与の支払者が受給者(本人)の定額減税を計算する際には、

 その配偶者や扶養親族について、

 その受給者(本人)にまとめて行うべき者かどうかを確認しなければなりません。

【4】定額減税額と対象者
 
(1)定額減税額

  ①所得税  受給者(本人) 3万円
     
        同一生計配偶者 3万円
    
        扶養親族    1人につき3万円

  
  ②住民税  受給者(本人) 1万円
     
        同一生計配偶者 1万円
    
        扶養親族    1人につき1万円

(2)対象者

  ①受給者(本人)  居住者であり、合計所得金額が1,805万円以下の者

  ②同一生計 配偶者  所得税法上の「同一生計配偶者」

  ③扶養親族     所得税法上の「扶養親族」

(3)同一生計配偶者

  生計を一にする配偶者のうち、その合計所得金額が48万円以下である者をいいます。
 
  すなわち、受給者(本人)の合計所得金額は問わず、配偶者の合計所得金額だけに着目します。

(4)扶養親族

  受給者(本人)の配偶者以外の生計を一にする親族等で、

  合計所得金額が48万円以下である者をいいます。

  控除対象扶養親族ではないので年齢16歳未満の扶養親族も含まれます。

【5】「月次減税」と「年調減税」

 定額減税では、「月次減税」と「年調減税」という次の2つの方法が用意されています。

 月次減税は、令和6年6月1日の在職者に対して、6月1日以後に最初に支払う給与又は賞与

 から控除する方法です。年調減税は、年末調整の際に控除する方法です。

(1)対象者の所得は年末にならないと確定しない

 月次減税を行ったとしても、受給者の合計所得金額は年末にならないと確定しません。

 受給者の同一生計配偶者や扶養親族に該当するかどうかも年末にならないと確定しません。

 そのため、再計算としての年調減税も行うことになります。

(2)年調減税だけで終わらせられないか

 本来は年調減税によって年末調整で定額減税を行えば、一度で手続きは完了するのですが、

 そうすると減税の実施時期が遅くなるため月次減税が採用され、

 6月1日に在職する者で「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している者に対して、

 6月1日以後に支給する給与又は賞与から控除することとされています。

 規定上月次減税を行うかどうかは給与の支払者の任意とはされていないため、

 月次減税を実施することになります。

【6】個人住民税の特別徴収における定額減税

 個人住民税の特別徴収は、令和6年度分の個人住民税額について、6月分の徴収額をゼロとし、

 個人住民税の定額減税を控除した後の金額を11等分して、

 7月から翌年5月にかけて徴収して納付します。

 
 定額減税については対象者の確認等上記以外にも細かい確認事項があります。

 給与支払者は内容を理解してから進めましょう。

 また年金受給者・確定申告者についても定額減税が適用されますが

 ダブって適用されることは無いので注意しましょう。

    
  山口会計 山口

多摩エリアで、創業50年超の業歴を誇る山口税務会計事務所。八王子市・立川市・多摩市に接する日野市(JR中央線豊田駅から徒歩5分)の税理士事務所(認定支援機関)です。税理士業務・会計サポートで中小企業経営者のお悩みを伺っております!日々奮闘している所長税理士とスタッフが、皆様の開業起業、相続その他税務のご相談をお待ちしております。
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