月刊 山口広記

お客様とのコミュニケーションを大切にする所長・山口の税金とお金と経営の話

生前贈与と申告

2014-09-30

平成27年以降の相続税の増税を控え

最近、節税対策としての生前贈与が話題となっています。

今回は生前贈与の方法ではなく、

贈与後の報告

つまり税務申告の必要性について記載していきます。

【1】贈与税とは

贈与税は、贈与によって財産を取得した人に課せられる税金です。

つまり、贈与税は個人から財産をタダでもらった場合に、

もらった人にかかる税金なのです。

【2】贈与税の申告は

基礎控除(年間110万円)を超える財産の贈与を受けた時には、

その贈与を受けた翌年2月1日から3月15日までの間に贈与税の申告書を

自ら税務署に提出して納付します。

提出先は、贈与を受けた人の住所地の所轄税務署に提出します。

基礎控除は財産をもらった人が年間110万円控除出来ます、

財産を複数の方からもらった場合も年間110万で判定するので

誤解が無いようにしましょう。

【3】申告を忘れると・・・

税務署は独自の情報収集から申告漏れの可能性を認識します。

その場合の税務署の対応で多いのが

①回答を求める文章が来る

「不動産の売却代金をどうしたのか回答してください。」等

例えば不動産の売買・株式の売買等をした場合に

その売買内容・売却後のお金をどうしたか等

を記載する書面が送られて来るケ−スです。

・もし仮に売却代金を売却した本人の預金口座

でなく、子供の預金口座等に入金していたりすると

子供に対する贈与になってしまいます。

・逆に購入する場合、自分のお金でなく

親族など他の人のお金で購入したのに

全て自分名義にしてしまう場合。

これもお金を出した方から名義人に

なった方への贈与となります。

②税務署への呼び出し

事前連絡が来て、日程を合わせた上で

資料を持って税務署に行き、説明しなければなりません。

③「お尋ね」が送られてくる

特に相続の場合に多いのですが、財産の中身や

金額などの詳細を記載する書面が送られてきます。

あくまでも「お尋ね」なので正式な調査ではありませんが

提出しないと、後で呼び出しなどになるケ−スもあります。

【4】申告忘れの多いケ−ス

贈与が発生するよくあるケ−ス

①不動産の名義変更・・・無償の場合

②子供名義の預金口座へ振込

金額・状況等によりケ−スバイケ−スで判断します。

③子供の住宅購入時の援助

基礎控除以外に住宅の非課税の特例もありますが
特例を適用するには期限内の申告が必要です。

④贈与税の特例としての教育資金の贈与

基礎控除以外に非課税の特例がありますが
特例を適用するには期限内の申告が必要です。

⑤相続時精算課税

基礎控除以外に非課税の特例がありますが
特例を適用するには期限内の申告が必要です。

上記のように財産の移転をする場合には贈与税の

問題が必ず発生します。

相続についての事前準備をする場合は贈与・非課税特例等

を踏まえてしっかりした準備が必要です。

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