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生前贈与と遺言書

2011-01-28

遺言書の作成が最近クロ-ズアップされてきました。
最近増えてきた作成パタ-ンを1つご紹介します。
 
①「生前贈与」と②「遺言」と③「遺留分の放棄」
の3つを組み合わせたものです。
 
まずは言葉の説明から
 
①生前贈与は現在贈与を受ける方が原則として
 年間110万円以内であれば贈与税はかかりませんが 
  特例として「相続時精算課税」という制度があります、
 年齢制限等クリアしなければならない条件がありますが、
 クリアすると2500万円まで贈与税がかかりません。
 
②遺言は財産を遺す者が意思を示す唯一の方法です。
 
③遺留分とは相続人が最低限財産を引き継げる権利
 となります。例えば子供が2人(相続人2人) の場合、
 仮に遺言で子供の内の一人に全財産を相続させる記載
 があった場合に、一定の時期までに一定の手続きを
 すれば財産の一部を取り戻せる権利です。
 
例示内容に入ります。
 ・親A (財産贈与者)
 ・将来相続人となれる子B(贈与により財産もらう人)
 ・将来相続人となれる子C(今回はもらわない人)
 
上記の様な家族構成の場合で子供が自宅等を購入する時に親から
購入資金の贈与を受けるケ-スが増えてきています、
この場合一定の条件をクリアすれば上記①により子供(B)
の贈与税の心配がなくなります。
他方子供が複数存在する場合は、一人の子供(B)しか
上記①の特例を利用しない場合には、他の子供(C)から不満が
生じることも考えられます。
ではこのような場合に、(B)が贈与した親と約束して
「相続の時には財産はいりません」と書面を残したとしても
いざ相続の時点では、法律的に効力を生じません。
またこの場合まだ生きている親の相続について
相続放棄もできません。
そこで、生前に贈与した子供(B)に実際の相続時点で
財産を相続させないようにするために、
②の遺言で既に贈与により財産を取得した子供(B)には
何も財産を相続させないということを明記し
かつ(B)が③の遺留分の放棄を家庭裁判所に申し立て、
裁判所が認めれば遺留分の放棄が成立します。
 
このように(B)に財産を生前に贈与することと抱き合わせに
相続時の問題をクリアにしておく手法が増えてきています。
 
書面の都合上、摘要条件等で詳細しなければならない部分
をかなり割愛しています、もし実際に検討される方は、
事前にご相談下さい。
 
山口会計 山口
 
 
 

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