起業コラム

貸借対照表

2014-07-22

前回は財務諸表によって何ができるかを説明させていただきました。今回から何回かに分けて、貸借対照表や損益計算書について説明させていただきます。今回は貸借対照表について説明します。

貸借対照表とはどのようなものなのでしょうか?

貸借対照表の構造

図①を見てください。貸借対照表には右側に会社がどのようにお金を集めたかが記録されます。そして左側には右側で集めたお金をどうしたかが記録されます。

東京商店が山梨商店から30円、神奈川商店から70円を借りたとします。

このような場合、会社はお金の提供者の名前と金額を貸借対照表の右側に記載します。(図2)

一方、会社は集めた100円のお金をどのように使ったかを貸借対照表の左側に記載します。

例えば会社は60円を埼玉銀行に40円を千葉銀行に預けたとすると、図3のように記載されます。

このように会社が貸借対照表を作成することによって、どのようにお金を集めたか、またその集めたお金がどのように使われているかがわかるようになります。

会社のお金がどのように使われていくかを記録し続けることによって、会社の財政状態がどのようになっているかが分かるようになります。この会社の財政状態を表したものが、貸借対照表です。

貸借対照表によって以下のことがわかるようになります。1つ目は会社の財政状態を把握することができるようになることです。2つ目は会社の弱点、解決策が分かるようになることです。2つのことについて説明していきたいと思います。

会社の財政状態を把握することができる

貸借対照表を利用することで、会社の財政状態の把握ができるようになります。

図④を見てください、ある架空の会社、東京商店の2013年度と2014年度の貸借対照表です。

現金に注目してみてください。会社にとって現金の増減はやはり気になるところです。

2013年には100円だったのに対し、2014年には150円に増加しています。このように東京商店は現金が前期より増えたことが分かります。

これに対して、商品が前期よりも30円減少しているのもわかります。今回の貸借対照表は簡便なものですが、貸借対照表には、土地の金額や売掛金の金額、有価証券、短期借入金の金額など様々な金額が計上されていきます。

よって貸借対照表によって会社の財政状態が見えるようになり、会社の状況がわかるようになります。

③   会社の弱点、解決策がわかるようになる

図⑤を見てください。神奈川商店の2014年の貸借対照表です。現金だけ見ると神奈川商店も現金が図④の東京商店の現金150円より200円と50円多いため、神奈川商店の財政状態の方がは良いように思えます。しかし神奈川商店は借入金が450円あります。このため神奈川商店は債務超過の状態にあります。(債務超過とは負債の総額が資産の総額を超過している状態、つまり資産をすべて売却しても負債を返済しきれない状態。)

このように、貸借対照表によって会社の弱点やその解決策が分かるようになり、今後、会社をより良くするための方向性が見えてくるようになります。

このように貸借対照表を作成することで会社の強み弱みが見えてきます。それによって経営のヒントが得られるのです。次回は損益計算書について説明していきたいと思います。

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