起業コラム

事業年度(決算月)の決定

2019-12-09

法人の決算月といえば「3月」というイメージがあるかもしれませんが、
実は自由に選択することができます。
個人事業者の場合は暦どおり1月から12月まで、つまり12月決算となりますが、
法人の場合は3月にこだわる必要はありません。

 

そこで今回は、決算月を決める時のポイント(考え方)を挙げていきたいと思います。

 

① 決算日は末日にする
決算日は末日以外にすることも可能ですが、締めのタイミングや決算の場合の
計算期間が非常に煩雑になりますので、末日にするのが良いでしょう。
また、2月にする場合はうるう年の関係もあるので注意が必要です。

② 繁忙期は避ける
決算月とその後約2カ月間は通常業務以外にたな卸や決算業務などがあり、
とても忙しくなります。そのため、この3カ月間と繁忙期は重ならない方が良いです。
また、季節によって商品や材料の在庫に変動があるような会社は、たな卸の少ない
時期を決算月とすることも検討した方が良いでしょう。

③ 資金繰りがよい時期にする
決算での税金は、決算日から2カ月以内に納付します。
会社設立時に事業計画を立て、資金繰りを考慮した決算月にしましょう。

④ 最初の決算までの期間を考慮する
たとえば、4月28日に5月決算の会社を設立したとします。
この場合は、会社設立後1カ月余りで最初の決算を迎えることになってしまい、
仮に売上が無かったとしても申告を行わなければなりません。
なるべく会社設立時から遠い日(設立日から最も遠い月の末日)が決算日
となるよう考慮することも大事でしょう。

⑤ 消費税が有利になるようにする
会社設立時の資本金が1,000万円未満の場合(その他親会社等の出資がない場合等含む)は、最長で法人設立2期目までの約2年間、
消費税の納税義務の免除を受けられる可能性があります。
この免除期間をできるだけ長くするようにするためには、④と同様、会社設立時から
最も離れた月を決算月にするのが良いということになります。

ただし、売上高や設備投資のタイミング、税制改正などで条件は変わってくるので
事業計画を立てて税理士などの専門家に、消費税額のシミュレーションを相談して
おくと良いでしょう。

 

以上が決算月を決める際のポイントとなりますが、
どの考え方を重視するかはその会社の諸事情により異なります。
会社の決算月をいつにするかについては、設立登記の手続きに入る前に十分に検討
した上で決定することをお勧めします。

なお、設立をして事業運営を進めていく中で、将来的に決算月を見直す必要が出てくる
ことがあるかもしれません。
そのような場合には、決算月を変更できるということもおさえておくと良いでしょう。

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