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IFRSと中小企業

2009-11-25

このブログの11月18日の書き込みでご紹介したIFRS。
対象にしているのは上場企業です。
http://blogs.yahoo.co.jp/yamaguchi_zeimu/22516275.html

では、非上場である中小企業等には何か影響が出るのでしょうか?

現状2つの点で影響があるのではないかと言われています。

①大企業系列の中堅・中小企業は、大企業側がIFRSを採用すると合わせなくてはいけない可能性がある。

②銀行の融資やベンチャーキャピタルの投資を受ける場合に、IFRS基準の財務情報を求めてくる可能性がある。

中小企業においては、税金の申告をするために税務の基準で決算書を作っているというケースが多いのが現状です。
これは、IFRSのような時価の考え方を取り入れて作成するものとは出来上がる決算書が異なります。
したがって銀行やベンチャーキャピタルが融資や投資をしようにも、会社それぞれ様々な基準で作成されている決算書を見ても、適正に会社を評価することができません。

そこで、中小企業においても拠ることが望ましい会計処理や注記の方法を定めた「中小企業の会計に関する指針」というものが公表されています。

この「中小企業の会計に関する指針」に準拠して作られた決算書は一定の信頼が保たれるため、銀行等からも評価が高く、融資の際には利率を少し割り引いてくれたりするケースもあります。

当事務所で作成する決算書はこの「中小企業の会計に関する指針」に準拠して作成しておりますが、今後IFRSが採用されると、「中小企業版IFRS」に則っていかなくてはならないと考えられます。

「中小企業版IFRS」は、上場企業のIFRSほど厳密な会計処理を要求しないと思いますが、少なからず対応していかなくてはならないと感じます。

神庭

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