東日本大震災の会計・税務で良く頂く質問をまとめました
2011-03-25
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従業員等に支給する災害見舞金品は経費になりますか?
法人が、災害により被害を受けた従業員等又はその親族等に対して一定の基準に従って支給する災害見舞金品は、
福利厚生費として損金の額に算入されます。
また、法人が、自己の従業員等と同等の事情にある専属下請先の従業員等又はその親族等に対して
一定の基準に従って支給する災害見舞金品についても、同様に損金の額に算入されます。
なお、事業を営む個人においても同様に取り扱われます。 -
災害見舞金に充てるために同業団体等へ拠出する分担金等は経費になりますか?
法人が、所属する同業団体等の構成員の有する事業用資産について災害により損失が生じた場合に、
その損失の補てんを目的とする構成員相互の扶助等に係る規約等に基づき合理的な基準に従って、
同業団体等から賦課され、拠出する分担金等は、その支出する事業年度の損金の額に算入されます。
なお、この取扱いは、事業を営む個人においても同様となります。 -
取引先に対する災害見舞金等は経費になりますか?
法人が、被災前の取引関係の維持・回復を目的として、取引先の復旧過程においてその取引先に対して行った災害見舞金の支出、
事業用資産の供与等のために要した費用は、交際費等に該当しないものとして損金の額に算入されます。 -
自社製品等の被災者に対する提供は経費になりますか?
法人が、不特定又は多数の被災者を救援するために緊急に行う自社製品等の提供に要する費用は、
寄附金又は交際費等に該当しないもの(広告宣伝費に準ずるもの)として損金の額に算入されます。 -
個人が支払を受ける災害見舞金には税金はかかりますか?
個人が支払を受ける災害見舞金で、その金額がその受贈者の社会的地位、
贈与者との関係等に照らし社会通念上相当と認められるものについては、課税しないものとされています。 -
法人及び個人が義援金等を寄付した場合の税務上の取扱いはどうなりますか?
個人の方が義援金等を寄附した場合には、その義援金等が「特定寄附金」に該当するものであれば寄附金控除の対象となります。
法人が義援金等を寄附した場合には、その義援金等が「国又は地方公共団体に対する寄附金」(国等に対する寄附金)、
「指定寄附金」に該当するものであれば、支出額の全額が損金の額に算入されます。以下に掲げる義援金等が該当します。
(1)国又は地方公共団体に対して直接寄附した義援金等
(2)日本赤十字社の「東北関東大震災義援金」口座へ直接寄附した義援金、新聞・放送等の報道機関に対して直接寄附した義援金等で最終的に国又は地方公共団体に拠出されるもの
(3)社会福祉法人中央共同募金会の「各県の被災者の生活再建のための義援金」として直接寄附した義援金等
(4)社会福祉法人中央共同募金会の「地震災害におけるボランティア・NPO活動支援のための募金」(平23.3.15財務省告示第84号)として直接寄附した義援金等
(5)(1)から(4)以外の義援金等のうち、寄附した義援金等が、募金団体を通じて、最終的に国又は地方公共団体に拠出されることが明らかであるもの -
義援金等を寄附した者が、確定申告を行うに当たり、寄附したことを証する書類が必要になると思いますが、
どのような書類を用意しておけばよいですか?例えば、次の書類が寄附したことを証する書類に該当します。
(1)県災害対策本部や義援金配分委員会等が発行する受領証
(2)日本赤十字社等が発行する受領証又は募金団体の預り証
(3)郵便振替で支払った場合の半券(受領証)(その振込口座が義援金の受付専用口座である場合に限る。)
(4)銀行振込みで支払った場合の振込票の控え(その振込口座が義援金の受付専用口座である場合に限る。)※(3),(4)の場合、個人の寄附者が確定申告をする際には、募金要綱、募金趣意書、新聞報道、募金団体のホームページの写しなど、
義援金を振り込んだ口座が義援金の受付専用口座であることが分かる資料を、
郵便振替で支払った場合の半券(受領証)や銀行振込で支払った場合の振込票の控えと併せて、
確定申告書に添付又は確定申告書提出の際に提示してください。法人の寄附者につきましては、書類として保存しておいてください。なお、日本赤十字社の「東北関東大震災義援金」口座、中央共同募金会の「各県の被災者の生活再建のための義援金」及び
「地震災害におけるボランティア・NPO活動支援のための募金」口座への寄附金については不要です。 -
震災により売上が減少して資金繰りが悪化しました。現在公表されている救済策は、震災で直接的に被害を受けた事業者のみが対象ですか?
東北地方太平洋沖地震による災害の影響で、事業所、工場等の主要な事業用資産に、倒壊・火災等の直接的な被害を受けた事業者に加えて、
間接的に被害を受けた事業者についても、ご利用できる制度があります。 -
セーフティネット貸付(取扱:日本政策金融公庫)とはどのような制度ですか?
社会的、経済的環境の変化により、一時的に売上や利益が減少する等、業況が悪化している事業者等が対象です。
※以下のいずれかの要件を満たし、かつ、「中長期的にみて業況が回復し、発展することが見込まれる」必要があります。
イ)最近の決算期における売上高が前期若しくは前々期に比して5%以上減少していること、又は最近3ヶ月間の売上高が前年同期若しくは前々年同期を下回り、かつ今後も売上減少が見込まれること
ロ)最近の決算期における純利益額又は売上高経常利益率が前期又は前々期に比して悪化していること
ハ)最近の取引条件が回収条件の長期化又は支払条件の短縮化等により悪化していること
ニ)社会的な要因(災害、事故、大型倒産、風評被害等)による一時的な業況悪化により資金繰りに著しい支障をきたしていること又はきたすおそれのあること -
セーフティネット保証(5号)(取扱:信用保証協会)とはどのような制度ですか?
指定された業種に属し、売上高の減少等について、市区町村の認定を受けた中小企業が対象です。(平成23年4月1日から9月30日の間は全業種)
※以下の基準のいずれかを満たす必要があります。
イ)最近3ヶ月の売上高等が前年同期比5%以上減少
ロ)製品等原価のうち20%を占める原油等の仕入価格が20%以上、上昇しているにもかかわらず、製品等価格に転嫁できていない中小企業者
ハ)東北地方太平洋沖地震の発生後、原則として最近1ヶ月間の売上高等が前年同月比20%以上減少、かつ、その後2ヶ月間を含む3ヶ月間の売上高等が前年同期比20%以上減少が見込まれること -
中小企業金融円滑化法(モラトリアム法案)とはどのような制度ですか?
社会的、経済的環境の変化により、一時的に売上や利益が減少する等、業況が悪化している事業者等が対象です。
※以下のいずれかの要件を満たし、かつ、「中長期的にみて業況が回復し、発展することが見込まれる」必要があります。
イ)最近の決算期における売上高が前期若しくは前々期に比して5%以上減少していること、又は最近3ヶ月間の売上高が前年同期若しくは前々年同期を下回り、かつ今後も売上減少が見込まれること
ロ)最近の決算期における純利益額又は売上高経常利益率が前期又は前々期に比して悪化していること
ハ)最近の取引条件が回収条件の長期化又は支払条件の短縮化等により悪化していること
ニ)社会的な要因(災害、事故、大型倒産、風評被害等)による一時的な業況悪化により資金繰りに著しい支障をきたしていること又はきたすおそれのあること -
中小企業金融円滑化法(モラトリアム法案)は返済免除とは違いますか?
返済免除ではありません。
元本の猶予や返済期間の延長により一時的に資金支出をおさえ、経営再建をする時間を稼ぐものです。
中小企業者はその間、経営改善を着実に図り返済能力の改善に努めなければなりません。
特に今回の延長により、申請企業はより細かい財務内容を開示するための資料提供を金融機関から求められます。 -
雇用調整助成金とはどのような制度ですか?
雇用調整助成金は、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者の雇用を維持するため、休業等を実施し、
休業に係る手当等を労働者に支払った場合、それに相当する額の一部を助成する制度です。具体的には、「最近3か月の生産量、売上高等がその直前の3か月又は前年同期と比べ5%以上減少している雇用保険適用事業所の事業主」が対象となります。
なお、中小企業緊急雇用安定助成金は、中小企業向けに雇用調整助成金の助成内容を拡充したもので、
直近の決算等が赤字の場合、生産量等の減少が5%未満であっても対象となります。 -
震災により事業所が損壊し、仕事ができなくなってしまった場合も雇用調整助成金は使えますか?
雇用調整助成金は、あくまでも経済上の理由により事業活動が縮小した場合に利用できる制度なので、
震災による事業所の損壊が事業活動縮小の直接的な理由である場合は利用できません。
ただし、修理業者の手配や部品の調達が困難なため早期の修復が不可能であり、事業活動が縮小した場合については利用できます。※震災による事業所の損壊により事業を休止する場合、激甚災害の指定に伴う雇用保険の特例により、
賃金を受けることのできない労働者に対して失業手当を支給する制度がありますので、こちらの活用をご検討ください。 -
計画停電による休業も雇用調整助成金の対象となりますか?
計画停電により事業活動が縮小し、休業に係る手当等が支払われ、所定の要件を満たした場合は対象となります。
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雇用調整助成金の支給額はどのくらいでしょうか?
雇用調整助成金は、事業主が休業に係る手当等を労働者に支払った場合、それに相当する額に対し、以下の助成率で支給しています。
なお、事業主が解雇等を行っていないなど、一定の要件を満たした場合は、カッコ内にある助成率となります。
□大企業 : 2/3 ( 3/4 )
□中小企業 : 4/5 ( 9/10 )
※上限額は、大企業、中小企業ともに1人1日当たり7,505円です。
※中小企業向けの雇用調整助成金は中小企業緊急雇用安定助成金という。 -
中小企業倒産防止共済とはどのような共済制度ですか?
中小企業者の取引先事業者が倒産した場合、中小企業者自らが連鎖倒産や著しい経営難に陥るなどの事態を防止するために貸付けを行う共済制度で、
中小企業者の経営の安定を図ることを目的としています。いわば、「取引先事業者の不足の事態が生じたときの資金手当」をする制度といえるものです。 -
わが社の取引先が災害により被害を受けたため手形が不渡りになった場合は共済金の貸付請求はできるのですか?
平成23年4月8日に制度が一部改正され、「取引先事業者が災害により被害を受けたために手形等が不渡りとなった場合(災害による不渡り)」も、
共済事由に追加されました。 これにより、「災害による不渡り」となった手形等を所持する共済契約者は、
取引先事業者が取引停止処分を受けていない場合でも共済金の貸付請求ができるようになりました。 -
「災害による不渡り」とはどのようなものですか?
手形が不渡りになった場合は、銀行は不渡りになった理由を記載して手形を返還しますが、
その理由が「災害によるもの」であるものをいいます。手形交換所は6か月間に2回の不渡りが生じた場合に取引停止処分を行いますが、
不渡りになった理由が「災害による不渡り」のときは、不渡り処分(不渡報告への掲載・取引停止処分)を猶予することとされています。 -
1回目の「災害による不渡り」でも共済金の貸付請求ができますか?
雇用調整助成金は、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者の雇用を維持するため、休業等を実施し、
休業に係る手当等を労働者に支払った場合、それに相当する額の一部を助成する制度です。具体的には、「最近3か月の生産量、売上高等がその直前の3か月又は前年同期と比べ5%以上減少している雇用保険適用事業所の事業主」が対象となります。
なお、中小企業緊急雇用安定助成金は、中小企業向けに雇用調整助成金の助成内容を拡充したもので、
直近の決算等が赤字の場合、生産量等の減少が5%未満であっても対象となります。 -
いつから「災害による不渡り」による共済金の貸付請求ができますか?
雇用調整助成金は、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者の雇用を維持するため、休業等を実施し、
休業に係る手当等を労働者に支払った場合、それに相当する額の一部を助成する制度です。具体的には、「最近3か月の生産量、売上高等がその直前の3か月又は前年同期と比べ5%以上減少している雇用保険適用事業所の事業主」が対象となります。
なお、中小企業緊急雇用安定助成金は、中小企業向けに雇用調整助成金の助成内容を拡充したもので、
直近の決算等が赤字の場合、生産量等の減少が5%未満であっても対象となります。 -
「災害による不渡り」の「倒産発生日」はいつになりますか?
雇用調整助成金は、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者の雇用を維持するため、休業等を実施し、
休業に係る手当等を労働者に支払った場合、それに相当する額の一部を助成する制度です。具体的には、「最近3か月の生産量、売上高等がその直前の3か月又は前年同期と比べ5%以上減少している雇用保険適用事業所の事業主」が対象となります。
なお、中小企業緊急雇用安定助成金は、中小企業向けに雇用調整助成金の助成内容を拡充したもので、
直近の決算等が赤字の場合、生産量等の減少が5%未満であっても対象となります。 -
地震保険とはどのような保険ですか?
地震保険には4つのポイントがあります。
(1)火災保険+地震保険
地震保険は単独では契約できず、火災保険にセットして契約する必要があります。
なお、火災保険の契約期間の中途でも地震保険の契約ができます。(2)契約金額
地震保険の契約は、建物と家財のそれぞれで契約します。
契約金額は、火災保険の契約金額の30%~50%の範囲内です。
なお、建物は5,000万円、家財は1,000万円が契約の限度額になります。
ただし、地震保険の対象は居住用の建物と家財のみです。(3)保険料と割引制度
保険料は、建物の構造と所在地により異なります。
地震保険料の一定額が控除され、税制上のメリットが受けられる「地震保険料控除」があります。(4)公共性の高い保険
地震保険は、「地震保険に関する法律」に基づき、政府と損害保険会社が共同で運営する公共性の高い保険です。
地震保険では、大地震による巨額の保険金の支払いに備えて政府がバックアップしています。 -
地震保険はどんな時に使えますか?
地震や噴火、津波によって、建物や家財がつぎのような被害を被った時に保険金が支払われます。
(1)地震により火災(延焼を含む)が発生し、家が焼失した。
(2)地震により家が倒壊した。
(3)噴火により家が損壊した。
(4)津波により家が流された。
(5)地震により家が埋没した。 -
所得補償保険とはどのような保険ですか?
会社員や自営業者の方などが病気やケガで仕事ができなくなった場合の収入減を補う保険です。
被保険者が病気やケガで入院や通院、自宅療養を行うことで働くことができなくなった場合に、税込み年収の最大60%ほどが補償され、
一定期間(通常は1年~5年、最長60歳まで)、毎月一定の金額を受け取ることができる保険になります。(補償される月額保険金・支払われる保険期間については契約・保険会社により様々なパタ−ンがあります)
保険期間中に保険金の支払いがなかった場合には、保険料の一部が戻ってくる場合もありますが、ほぼ掛け捨て部分が大半を占めます。
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収入保障保険とはどのような保険ですか?
会社員や自営業者などの方が死亡または高度障害になった場合において、残された家族の生活費用を補う保険です。
被保険者が死亡または高度障害になった場合において、遺族又は保険金受取人に対して保険適用期間終了まで毎月もしくは一時金で保険金が支給されます。
掛け捨て型のタイプである場合が多く、そのため保険料は割安になっているのが特長です。