税理士事務所所長 山口広記の税金とお金と経営の話

年金保険料の支払は将来の為だけか?

2014年度の国民年金保険料の納付率は63%だったようです。「将来どうなるかわからないから保険料は支払わない」という方が増えているためようです。しかし、万が一の近い将来に公的年金が役立つことがあります。それは遺族年金と障害年金です。ただ、これらは保険料が未納だとふいになりますのでよく理解しておきたいところです。

今回は遺族年金について取り上げたいと思います。

【1】遺族年金

家族の大黒柱であるご主人に万が一のことが起こったとき、
遺族に支払われる公的年金制度のひとつです。
残されたご家族が遺族年金だけで生活費の全額が賄えるわけでは
ありませんが、生活の基盤になるお金であることには間違いありません。

【2】遺族基礎年金

(1)概要
国民年金に加入中の方が亡くなった時、
その方によって生計を維持されていた「18歳到達年度の末日までの間にある子
(障害者は20歳未満)のいる配偶者」又は「子」に遺族基礎年金が支給されます。
(2)支給条件
亡くなった日のある月の前々月までの公的年金の加入期間
の2/3以上の期間について、保険料が納付又は免除されていること、
または亡くなった日のある月の前々月までの1年間に保険料の
未納がないことが必要です。
(3)原則的な年金額(細かい決まりが有ります)
780,100円+子の加算
子の加算・・・第1子・第2子・・・各224,500円
第3子以降・・・各74,800円

【3】遺族厚生年金

(1)概要
厚生年金に加入中の方が亡くなった時(加入中の傷病がもとで
初診日から5年以内に亡くなった時)、
その方によって生計を維持されていた一定の遺族
に遺族厚生年金が支給されます。
(2)支給条件
1)被保険者が死亡したとき、または被保険者期間中の傷病がもとで
初診の日から5年以内に死亡したとき。
(ただし、遺族基礎年金と同様、死亡した者について、保険料納付済期間
(保険料免除期間を含む。)が国民年金加入期間の3分の2以上あること。)
2)老齢厚生年金の資格期間を満たした者が死亡したとき。
3)1級・2級の障害厚生年金を受けられる者が死亡したとき。
(3)原則的な年金額(細かい決まりが有ります)
報酬比例部分の年金額は、複雑な算式があるのでここでは
割愛させて頂きます。
例示として平均標準報酬月額と遺族厚生年金の金額モデルを
一部記載しますので参考にしてください。
平均標準報酬月額20万・・・遺族厚生年金年額324,911円
平均標準報酬月額30万・・・遺族厚生年金年額487,366円
平均標準報酬月額40万・・・遺族厚生年金年額649,822円
平均標準報酬月額50万・・・遺族厚生年金年額812,277円

【4】その他

(1)保険料未納
①会社員
会社員の厚生年金の場合、年金保険料は給料から天引きされるので、
保険料未納は起こらないはずです。
②自営業者
自営業者などは、国民年金に加入し、自主的に保険料を納める必要
があるので、未納が起こります。
(2)免除の利用
遺族年金は無条件で支給されるわけではありません、
その大きな要件の一つが保険料をきちんと納めてきたかどうか、
納められないときには「免除」の手続きをしているかどうかです。
免除期間は納めた期間に含まれます。

万一のことが起こらないに越したことは有りませんが、
「備えあれば憂いなし!」もし保険料を支払っていない方が
いらっしゃるならば、あらためて考えてみましょう。

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